GUIDIレザーの魅力を探る旅
それは2023年2月。メディアに出ない、どうやら写真に写るのが嫌いらしい、、、などマルジェラやバンクシーのようにナゾに包まれ、果たして実在するするのかも謎の存在。そんななかなか会ってくれないタンナー GUIDI社のグイディ社長にアポが取れたので訪問することに。
イスラエル~エルサレム巡礼~ヨルダン国境の死海で浮かびパレスチナはベツレヘムにあるバンクシーデザインのThe Walled Off Hotel世界一眺めの悪いホテル滞在からテルアビブ空港に。ウワサ通り出国検査が厳しく「アナタハパレスチナニイキマシタカ?」的な4時間拘束尋問を余儀なくされる。※イスラエル、エルサレム、ヨルダン、パレスチナ、ベツレヘム彷徨話お聞きしたい方は東京本店に橋本を指名して呼び出してください。
そこからイタリア直行便でフィレンツェサンタマリアノヴェッラ駅経由トスカーナ郊外へ。
Montecatini Terme駅にグイディ氏のアシスタントが車で迎えに来てくれて、いざランチミーティングへ。始めてグイディ氏とご対面。開口一番「そのクロコバッグいいね〜どこの?」「わ、わ、私が自ら手を動かして造ったんです〜」「お、めちゃイイネ、ちょっと持たせてよ!ん〜イイネ!」と自作鞄を褒められて緊張がほぐれる。腹まわり100cmある巨大クロコの1枚革を余すことなく使い、実験ディテール散りばめたバッグ。これはなかなか理解できないだろうな〜な造り方を一発で見抜いた、、、流石!と感心。ローカルフードとそれによく合うご当地白&赤ワイン2本を昼間っから呑みながら意見交換。
そして徒歩移動でマル秘だらけの加工場や企画室、お宝だらけの巨大レザー貯蔵庫。少し離れ130年前から創業の地にあるショールームへと次々アテンドいただきました。写真公開はNGなところが多々でしたが、道中長年の疑問をぶつけると真摯に答えていただきコダワリの塊でありながらも柔らかく実直なグイディ氏の人柄が伝わってくる。タンナーはもとよりテクスチャの加工業、そして氏の代になり靴やバッグを手がけて世界中の名だたるアルチザン系セレクトショップに無くてはならないポジションを築いている。どれだけの人達が氏に影響をうけたのか計り知れないインスピレーションの塊。謂わばその筋の最高峰。チャーミングな性格だけど照れ屋でシャイ、顔出し嫌いなので柔和な笑顔写真をup出来ないのは残念。
貴重なスケッチや、超企業秘密独自レシピの染料ブレンド、別室保管のフルベジタブルのエキゾチックレザーなど。夢想だにしなかった光景が目の前に広がりガクブル。20年前にはじめてGUIDIブーツに足を通した自分に言ってやりたい。そのフィット感、無駄のないフォルムに感激し、こんなレザープロダクトを造る人が海外どこかにいるんだな〜な感動、心弾ましてくれた張本人と20年の時を経て巡り会い製造現場に訪問出来ることになるこの現実を。ほんま生きてて良かった〜〜
氏も私と同じくレザープロダクトに関しては独学で身につけたと云う。その道程は決して最短距離でなく遠回りしながらトライ&エラーを繰り返してきた、今でもチャレンジしている熱弁に齢60歳とは思えぬ無邪気さが垣間見られとても魅力的にキラキラとした輝きで眩い光を放つ。その反面このエリアでタンナーや革加工場はGUIDI1社しかなくなり日本の皮革業界と同じく斜陽産業ゆえの課題と日々対峙しなければならない。古今東西、光があれば影が在る。明るいことと隣り合わせ長く伸びた影に共感を覚える。コレはこういうコトなのではないか〜と想像していた製造工程の相違点なんかを確認しながらクリエイションやテクニカル、オルタナティブに対して日々の仕事で向き合っていることが間違いではなかったことを実感する。リスペクトしている人の言葉はどうしてこんなにすんなり入ってくるのだろう?至福の時間。この機会を与えていただいた協力者やシーンに最大級の感謝を捧げる
※製造現場の秘蔵映像あり。オンラインup厳禁のためご覧になりたい方は東京本店にてお問い合わせください。
事前に足のサイズを聞いていたのでGUIDI社のカーフ素材で造ったノーノーイエスの足袋や薄くしたホースを両面貼り合わせたスペシャルな所作をグイディ氏にプレゼント。GUIDI革で仕立てたレザージャケット多数掲載のビスポークブックもお土産に手渡す。とても喜んで頂いた。
この渡航中に20年来愛用のGUIDI社のバックジップブーツを履いていたのだけどファスナー不具合を伝えると「今すぐ脱げ、直したら日本に送るよ〜そこにあるサイズあう新品と履き替えちゃいな〜」とサプライズプレゼント&リペアもしてもらえることに!感激!!この20年もう何足?6〜7足は履いてきたGUIDIブーツ。革ももちろん大好物なのだけど、なにより木型がめっちゃピッタンコでフィット抜群なのが愛着ある理由。グイディ氏みずから「これ似合うんじゃない⁈」足もち上げて試着も手伝ってもらいながらバランスをみてもらえる光栄さたるや、、、僭越ながらお互いの造形物を交換するとことになった喜びを噛み締め、、履いてる靴でその人の人格が分かると言ったのは誰だっけ?ルーズヴェルト?トムウェイツ⁇ま、いっか〜そんなこと憧れの方に選んでもらったブーツ履いてご機嫌さまさまで足どりは軽い帰路。
私もGUIDIの革で今までたくさん造ってきた。今後もビスポークのお客様にもラインナップで提案していく。そんな今までの顧客様やこれからの潜在ユーザーにも今回知り得た多くのことをお伝えしなければならない使命が芽生えた。創業130年培われた伝統、そしてその歴史に甘んじない革新の凄み。そう革新。革が新しいと書いて「革新」革新の核心を確信して書く心。
ノーノーイエス3店舗にてGUIDI社のカーフやホースを常備しています。革新を身に纏った者は理想や憧れに近づくことができる。それは至福。生きていることを体感できるでしょう。