傷でも、製造工程上できるシワやヒビではありません。
牛の血管痕です。
「血筋」と呼ばれています。

■ポイント
・どんな革にも必ず血筋は入っている。
・人間の体がそうであるように、この血筋の出方は全く一定ではない。
・自然の風合いを活かす「なめし」の場合に目立つ。(所作はそういう加工です。)
・革製品に慣れて居ない方は「革に傷が入っている」と思われがちだが、
近年は血筋をむしろ積極的に楽しもうという本当の革好きの方が増えてきている
・血筋は模様であって革質の良否に関わるものではない

他サイト参考:
http://www.ninoworks.com/cgi-bin/ninoworks/siteup.cgi?category=4&page=0
http://ryogokusakura.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-6e82.html

以下引用:
ーー
ナチュラルな革(染料仕上げ)に多いのですが、革の表面に、葉っぱの葉脈のような模様が
縦横に走っているのをしばしば見かけます。
この革表面に見られる模様はいったい何でしょうか?実は、動物の皮膚の下を走っていた
血管の痕なのです。ちなみにこうした血管の通った痕のことを業界では「血筋」と呼んでいます。

当然ながら、血管は革をとるどのような動物にも必ずあるので、血筋は本来はほとんどの革に
見ることができます。

但し、人間の体がそうであるように、この血筋の出方は全く一定ではありません。
まず体のどの部位を使った革なのかで違ってきます。
皮膚の薄いところ、血管が体表面近くに浮き出ているところを使った革では血筋がはっきりと
出やすい傾向があります。他にもオスかメス、年齢などによっても血筋の出方が違ってきます。

これらに個体差が加わると、血筋の現われる程度は革を染めてしまうと、
ほとんど分からなくなってしまう程度のものから、コーティングでも隠せないほどクッキリとした
ものまで、まさに千差万別になります。

本来、この血筋は革にはつきものの模様ですが、表面加工や厚いカラーコーティングを
しているものが多いので、それらに隠されて表面に見えないことの方が多いでしょう。
しかし、ヌメ革などのタンニン鞣しの革や染料仕上げのカーフスキンなどは自然の風合いを
そのまま生かすことが求められますので、基本的にそうした加工を施しません。

革製品の歴史が長い欧米ではあまりないのですが、革製品に慣れていなかったり、
革の流通量のほとんどを占める顔料仕上げの製品しか使ったことのない人の場合、
血筋を見て驚かれ、「革に傷がはいっている」と言われる場合がたまにあります。

最近では革に対する知識が普及し始めてきたせいか、血筋への理解や、さらに一歩進んで
血筋をむしろ積極的に楽しもうという(エルメスのカーフ製品など)本当の革好きの方が
増えてきているようです。

最近では、特に若い人やクリエイティブ系の仕事をされている方の中で、シワや傷痕とともに
血筋が入った革をわざとつかって、ラフな、あるいは自然っぽさをアピールした製品に人気が
集まってきているようです。

基本的に血筋は模様であって革質の良否に関わるものではないので、血筋も革の味わいとして
お楽しみいただければ、と思います。
ーー