なぜ、ビスポークを?
ビスポーク=オーダー
と、一言でまとめてもオーダーする理由やこだわりは人それぞれ。
“なぜビスポークを?” と題して
オーダーを決めた理由や仕様をはじめとしたこだわり、色々な想いをインタビュー形式に伺いご紹介。
少しでもビスポークをする時の参考になれば、と思います。
今回はビスポーク生産拠点”東京ラボラトリー”のジョニーになぜビスポークをしたのか、を色々と聞いてみます。
店頭で応対するのはポケモンの色違い並にレアな確率ですが、ジャケット自体は店頭に置いてる時もあるので参考事例として見たことがあるお客様もいらっしゃるのでは…?
(過去の なぜ、ビスポークを?はコチラ)
—————————-
ロギー:では早速、お願いします!!今回は12回目。
ジョニー:お願いします!!少し早口なタイプなので出来るだけゆっくり話ますね!!(笑)
ロギー:case.東京スタッフの8,10に続き、ダブルライダース。これはいつ頃オーダーされましたか??
ジョニー:東京スタッフのダブルライダース率高すぎですね(笑)僕はレザージャケットと言えばダブルライダース派で、オーダーしたのはちょうど一年前くらいです!
ロギー:意外とダブル派が多いですね(笑)
1年前にオーダーされてからはどれくらいの頻度で着用してましたか?やっぱり真夏以外は基本的に着用?
ジョニー:僕はどちらかというと暑がりなので10月から3月の間が一番着用してますね。基本週4-5くらいで着てます!
ロギー:じゃあインナーはTシャツとかロンTとか薄めのを着用?1年でもはっきりとシワが刻まれてますね!
ジョニー:基本薄手のインナーがメインですね。ボディ、アームをはじめ全体的にタイトフィッティングになるようにしましたので、腕シワもしっかりと刻まれてます。タイトシルエットだから真冬はこの上にコートも余裕で羽織れるのも気に入ってます!
ロギー:背面から見るとすごい絞られているのがわかります。切り返し線が多いですが、これはよりシェイプさせて体にフィットさせるためのものなんですか?
例えばこのジャケットでいうと背面の切り替え線はなぜこのようにしたのかなど、意味はありますか。
ジョニー:そうですね、切り替線はただのデザインだけじゃなく、それぞれの役割があります。
僕はお尻周りが大きく、ヒップとウエストの寸法差が大きいので多めの切り替えを入れることによってウエストが綺麗に絞れますのでこのデザインにしました!もちろん視覚的な部分=デザインの意味もあります。
ロギー:なるほど、そういう事なんですね。他に体型や身体的特徴の関係で変更した箇所などはありますか?
ジョニー:体の特徴じゃないですけど個人的に肩幅狭めのが好みなので、どうしたら肩幅を狭くしつつもキツく感じないようにパターン上で色々工夫しました。やはり一人ひとりの体型を把握した上で行うオーダーじゃないとココまで出来ないよなぁと思いますね。
ロギー:肩幅を狭くすると窮屈に感じたりするとは思うんですが、そのパターン上での工夫について簡単にわかりやすく説明をすることは出来ますか?
ジョニー:細かい話になりますけど、ただ単に肩幅を狭くするだけだともちろん窮屈に感じますが、そうならない様に袖山の曲線を少しなだらかにして、肩で削った分を袖に持っていきますと窮屈な感じが解消されますね。多分文章だとわかりにくいと思います…(苦笑)
ロギー:文章だと少しわかりにくいかもしれませんが、一人一人のお体や要望に合わせて型紙作成時にこういった内容を行っているのですね。(このような工程は全て生産拠点のラボラトリーで行っております)
少し話しを変えて…このジャケットの素材は何を選びましたか??
ジョニー:世の中に全く同じ体形の人はいないので、オーダーして頂いたお客様一人一人に合わせてパターンを作ってます!
このジャケットに使われてる素材は「Guidi Horse」です!こちらも昨年の夏頃にオプションとして追加された素材です。
ロギー:なぜ、ビスポークを?では初めてご紹介する素材ですね!GUIDIカーフ(仔牛革)は以前紹介したことがありますが、ホース(馬革)ですね。
簡単に特徴を教えてもらえますか?
ジョニー:一般的にホースレザーによくある印象というと無骨・ハード・硬い等のイメージが多いと思いますがGUIDI社のホースレザーは実際触ってみると、見た目のハードさと真逆でホースレザーの中ではものすごく柔らかくて、最初からストレスなく着れるのは特徴的な部分だと思います。もちろん革らしいシボもありますので革好きの方にも満足していただける素材ですね!
ロギー:確かにそうですよね、見た目とは真逆で柔らかくて着やすそう。店頭でも最近GUIDIホースをチョイスする方が少しずつ増えており、革に拘りたいという方も仕上がりには驚き、喜んでくれますね。
しっかりとシワも刻まれるので育てる楽しさもあるのが良いですよね。この革を選んだ理由は何かあるんですか??
ジョニー:僕は入社前からGUIDIが大好きで、GUIDIのアイテムをいくつか持っていますのでGUIDIの革でオーダーできるの聞いた時にめっちゃテンション上がりましたね(笑)、元々オプションとして選べるのはカーフのみですが、僕的にはやはりGUIDIといえばホースレザーのイメージなので昨年からラインナップに加わり、今だ!と思ってオーダーしました。
ロギー:元々GUIDIのファンだったという事ですね!ジョニーと同じくGUIDIでオーダーができるからとお越しになる方は多数いらっしゃいますよね。海外からわざわざお越しいただいた時には驚きましたが嬉しかったですね。
メインはGUIDIホースですが、やはり襟部分や袖マチのクロコも非常に目を引きますね(笑)
ジョニー:そうですね!やはり100年以上の老舗が作った革と革の王様って言っても過言ではないクロコダイルの組み合わせたまらないですよね!
ロギー:かなりインパクトはあるよね(笑)来店される革が好きな方も良く店頭に掛かってるジャケットを見て「おっ!!良いね!」と言ってるよ。
クロコは襟、袖先、襟裏ですかね?襟裏は少し変わってますね?(笑)
ジョニー:そうですね、裁断シミュレーションしてる時にちょうどいいサイズ・部位があったので襟裏はクロコダイルのお尻部分使いました。所謂、お◯りの穴です。ここが僕のジャケットの一番のポイントかもしれません(笑)
ロギー:そうなんですね(笑) 1枚のクロコダイルを見たことがある人はわかると思いますが、下部についてるあの穴です。なかなかエキゾチック感が合っていいですね。70sのジャケットによくあるディテールの襟裏隠しポケットを連想させますね!ディテール的にはどうですか?何かイメージがあってこの仕様に?
ジョニー:このジャケットが僕の初オーダー革ジャンなのでデザインはシンプルにしつつも何か面白いディテール入れたいなあと思って、クロコダイルの裁断してる時にこの穴を見た瞬間にポケットにしよう!って思いつきました(笑)ロギーさんだったらこのポケットに何入れますか?
ロギー:そうだなぁ…メガネ拭きとか入れておくかな(笑)絶対便利でしょ。
ジョニー:それアリですね。メガネ拭きってすぐどこか行くから僕もそうしようかな。おもむろに襟裏からメガネ拭き取り出したら面白いですよね(笑)
ロギー:首周りだから厚みが出るのは嫌だもんね。さて、他のディテールはどうでしょうか?
ジョニー:胸ポケッはよくある胸の部分ではなく、あえてラペル部分に名刺入れ専用のポケットを付けました。フロントファスナー閉めてる時にチラッと引手が見えるのが個人的に気に入ってます。
ジョニー:それと画像を見て気付いてる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこのジャケットは「GUIDIホース」と「クロコダイル」だけではなく、「GUIDIカーフ」も使用してます、同時に3種の革の経年変化を楽しめるのがこのジャケットの1番のポイントだと思います!
ロギー:随所にGUIDIホース、カーフの切り替えがありますね。内袖、脇、背面切り返し部分などですね。シボのコントラストが非常に面白いですね。
ジョニー:あとはポケットの内側部分もカーフにしてます。着用の体感なんですが、若干カーフの方が伸びがあるので可動しやすく感じます。
ロギー:1着でどちらも楽しめるのは新しいですね。興味がある方は店頭で実際に触り比べてみて、検討してもらえたらと思います。
下記、着用0日目と着用1年目の比較写真です。
〈着用0日目〉
〈着用1年目〉
〈着用0日目〉
〈着用1年目〉
ロギー:新品状態は袖がピンと張ってるくらいハリ感あったのが、着用して馴染んだおかげですとんと落ちてますね!面白いのは襟部分にクロコの模様が薄っすらアタリ出てるのも良いですね。
ジョニー:こうやって比較するの面白いですね!!全体的にブラックが少し深くなってツヤが増してますね。ハンガー掛けした時にちらっと覗く裏地のレッドもやっぱり効いてますね。
ロギー:そうですよね。裏地はシンプルにレッドのベンベルグ(キュプラ)ですね。選んだ理由はありますか?
ジョニー:ベンベルグならインラインのキュプラよりも若干厚みがあり丈夫なので厚みのある革にも適してますし、革ジャンはどうしても普通の布帛のジャケットより重いのでなるべくストレスなく着れるように滑りのいいベンベルグを選びました。色を赤にしたのは脱いだ時にインパクトが欲しかったので、遊びの部分ですね!
ロギー:袖通しの滑らかはノンストレスで良いですよね。吸湿性・速乾性にも優れているので着心地も良く、最近はよく選ばれますね。
ポケット、袖ファスナーの仕様ですがこれはムシ(ファスナーのギザギザ)見せでもなく、比翼でもないタイプですね?
ジョニー:エクセラファスナーのツヤがあるムシも見せたく、でも比翼にもどっちも欲しいので欲張って両比翼ムシ見せで作りました!通常の両タイプよりも幅が広くなるので各部位の主張もされて正解でした。ちなみに比翼部分はカーフです。
ロギー:では最後に、このジャケットに名前をつけてもらいましょうか(笑)
ジョニー:名前か〜。そうですね、クロコダイルとホース&カーフの組み合わせなので『Marine Corps』かな!海軍陸戦隊の英語です!
ロギー:急なミリタリー要素。それでいきましょう!ありがとうございました!
ジョニー:ありがとうございました!!
————————————————
ビスポークのご相談などございましたらお気軽にお問い合わせください。
【No,No,Yes! 東京本店】
渋谷区千駄ヶ谷3-2-8
Tel 03-3408-2706
Mail tokyo@nonoyes.co.jp
【No,No,Yes! 姫路店】
姫路市本町68-170大手前第一ビル 3F-5
Tel 079-240-5760
Mail himeji@nonoyes.co.jp