なぜ、ビスポークを? case 5.

なぜ、ビスポークを?

ビスポーク=オーダー
と、一言でまとめてもオーダーする理由やこだわりは人それぞれ。

“なぜビスポークを?” と題して
オーダーを決めた理由や仕様をはじめとしたこだわり、色々な想いをインタビュー形式に伺いご紹介。
少しでもビスポークをする時の参考になれば、と思います。

今回はお客様のSさん。リアルな声を聞かせてもらえそうです。

(過去の なぜ、ビスポークを?はコチラ)

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NNY : なぜレザーウエアをオーダーをしようと思ったのでしょうか?

S : 前々から良いライダースは欲しいと思っていて、好きなハイブランドのを試着してみたこともあるんです。ただ、かっこいいんだけどどうしても動きにくくて。
高い金額を払ってめちゃくちゃ良いものを着るのに、我慢しながら着なくちゃいけないのは勿体無いなと思ったんですよ。だったら、オーダーで自分の体にも合わせて、全部こだわった一生モノを作りたいなと思ったのが理由です。

NNY : オーダーの“テーマ”について、あれば教えてください。

S : 今回のライダースを作る時には人生や生き様を反映する1着にしたいと思っていたんです。
それについて自分自身で考えたり、オーダーしている最中の会話で導いてもらったことがあるんですね。
僕は人と同じになるのが嫌な性格なので、何かと人と違うことをしたがるんです(笑)でも結局振り返ってよくよく見ると、自分の好きなものって全部“王道”なんですよ。好きなミュージシャンや映画、自分のキャリアも。狙ったわけじゃないけど期せずして“王道”に行きついているっていうことに気付いて。

NNY : そういえば、話されてましたよね。

S : それで“王道”をテーマにしました。ただ、ジッパーの色や形を選ぶ時に“ちょっと変わった色やデザイン”に気を取られていることに気付くんですよ。その度に自分に「いや、王道。王道。」って言い聞かせながら軌道修正しました。でも唯一、袖の裏地だけは自己主張カラーの赤を使いましたね。好きな色でもあるし、沖縄の有名な占い師さん曰く僕のラッキーカラーらしいです(笑)
今回、自分を見直すっていう経験になったので、これを作ってなかったら“結果、王道”っていうのも気付いていなかったかもしれないですね。

NNY : 何回も軌道修正してましたよね(笑) では、この革(Guidi Calf)を選んだ理由があれば教えてください。

S : 一生モノなので、後になってから「この革にしとけばよかったな〜」みたいな後悔がないように一番いい革にしたいと思って、それでロギーさん(NNYスタッフ)に聞いたら 「Guidiですね!」って(笑)僕も「じゃあそれで!」って。
おかげで着る度に革の質感に惚れ惚れしていて、ここ2年のメインアウターになっています。このマットな鈍色に光る感じが良いですよね。

NNY : 気に入って頂けて大変うれしいです! 拘りのポイントなどはありますか?

S : シルエットにはこだわりましたね。僕は華奢な体型ではないんですが、基本的には“細くシュッとしたシルエットが好き”というのがあるので、仮縫いの時にもシルエットにはこだわって調整してもらいました。着丈もちょっとした違いで変わるんだなっていう気付きがあったりして、全体的なバランスや見え方にこだわりました。

NNY : オーダー時に不安に感じた部分などはありますか?

S : まずは「何をどうオーダーしたらカッコ良くなるのかがわからない」っていう不安感がありました。スーツや靴であれば今まで何着、何足とオーダーしてきたので「ヒールは何センチがいい」とかスラスラ出てきて、細かいディティールも自分でイメージしながらオーダーできたんですけど、レザーライダースは全然手を出していないカテゴリーだったので。
その不安が解消されたのは、仮縫いが出来上がってフィッティングをした時ですね。「ああ、こういう感じになるんだ!」って。
やっぱり形になった段階で、どんなシルエットになるかも見えてくるし、イメージもわかってくるのでそれで半分くらい解消されました。
あとは形やパーツの一つ一つは“王道”を選んでみたけれど、それが実際に組み上がった時に本当にかっこいいのか、という不安ですね。今までレザーライダースのオーダー経験がなかったので、最終的なイメージはできなくて、それが不安であり楽しみでした。
1回目のオーダーだからこんな感じだったと思うんですけど、2回目になればだいぶ勘所が掴めているんだろうなと思います。

NNY : 仮縫いフィッティングを挟むだけで大分見えてきますよね。完成したジャケットに初めて袖を通してどうでしたか?

S : 「うわ~~っ!!カッケー!!」っていうのと、「大事に着なきゃ」っていうある意味怖さがありました。
子供が産まれたような気持ちです。産まれた嬉しさと、自分が育てていくんだっていう責任感と。
あとはサプライズで付けてもらった僕のロゴが嬉しかったです。ちょっと気を衒いたくなる“他にはない”って要素がドンズバここにきました。学生時代の研究に因んだイラストとか、僕のモットーになっている曲のタイトルを入れてくれてたり。家紋にしようと思ったくらい嬉しかったです。
もちろん“お気に入りは全て”と答えられるくらいこだわりつくしたので、シルエットもデザインの仕上がりも満足しています。

NNY : 着用してみてからはいかがでしょうか?

S : 初めは革が硬かったのを覚えているんですけど、でも着ていくうちに完全に自分に馴染んで“第二の皮膚”っていう感じで。着た時に吸い付く感じがすごいですよね。モビルスーツは着たことはないですけど、もし着たとしたらこんな感じかなっていうような(笑)着れば着るほど馴染んで、包まれるような感じが気に入っています。

NNY : では、最後にどんなシチュエーション・スタイリングで着用しているか教えてください。

S : オールシーズン…(笑)真夏以外できるだけ着たいです。
というのも王道にした作用もあって、守備範囲がめちゃくちゃ広いんですよ。スキニーでもワイドパンツでも。これを着れば“極上”になる。なんでも合う万能調味料みたいになってます(笑)
今年挑戦したシチュエーションとしては、奥さんの誕生日にホテルへ食事に行くことになったんですけど、その時にタートルネックにライダースを試してみたんです。それがすごく綺麗めにハマって、奥さんにも褒められたのは嬉しかったですね。本当にどの場面でも間違いなくハマってくれる1着になりましたね。
強いてお気に入りを挙げるとするなら、真冬にこのライダースを着てNo,No,Yes!の大判マフラーを巻くスタイルがお気に入りです。

NNY : ありがとうございました!!!

※BespokeBook Ⅴ 掲載インタビューにオフショットを追加してブログに掲載させて頂いております。

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