『革の黒ダイヤ』と呼ばれる小さなダイヤの粒を散りばめたような美しさ。
日本古来の伝統技法である
『なめしの技術』と『漆塗りの技術』を融合させたのが
1923年創業、姫路タンナー“坂本商店”の誇る、姫路黒桟革(くろざんかく)。
姫路白革なめしに漆塗りを施した革。
漆は自然界最強の天然塗料と呼ばれ
摩擦に強く、道具の実用性を高め
その希少性や美しさから
黄金と並ぶ、権力を象徴する美として
日本人の生活に存在し続けていた。
現在では剣道の胴胸などの武道具に使われ、
戦国時代には、 大将クラスの甲冑に使われていたと言われる代物です。
以前紹介しました
姫路白なめし革とは異なり、国産黒毛和牛がベース
食肉加工過程の副産物として、余すことなく動物の皮を利用。
下地革をつくるところからはじめ
革と漆の相性、鞣しと漆塗り、それぞれの特性と物性を知り尽くし作製される
理想の漆塗り革、黒桟革。
黒桟革の歴史的背景と
日本独自、独特な素材イメージから
“THE 日本の革”
とコンセプトし、姫路から世界へ発信。
2014年 香港APLFアワードMM&T展(素材展)にて日本人初のベストニューレザー部門グランプリを受賞
2016年 パリの国際的なファッション見本市「プルミエール・ヴィジョン」が主催するPVアワードで日本企業として初めてレザー部門で「ハンドル賞」を受賞
以降、海外ファッションウィークでの黒桟革を用いたブランド展示などなど
日本よりも
海外で先に評価を得ているような印象すら受ける。
漆器という言葉が代表的
漆と言えば、お椀を想像される方も多いだろう。
伝統的な行事で目にしたり、僕たちは何かしら無意識に漆に関わっている。
感覚的、視覚的な視点より語られることが多いが
そもそも
漆とは、一般的に漆の木の樹液を指す天然の塗料のことであり
木材や陶器と言ったベースに漆を塗ったものが漆器となる訳です。
その実、
漆の木は中国からきている説のある外来種の木。
*もともと日本に存在した説もあります
とは言っても
最古の漆を塗ったものとしては
縄文時代のものが見つかっており、9000年前から日本に存在するのだとか。
日本大陸の環境下では在来種と比べて弱い存在である外来種は
保護、管理しなければ生息することはできず
9000年前よりも、またはそれ以前よりも
日本人は管理、必要としてきた、ことになる。
芸術性の高いもの
というよりも
そもそもの用途として
塗料や接着剤など様々な用途で使われ
その丈夫さから自然界最強の天然塗料とも言われている。
実際に
縄文時代のものでも、矢の先を漆で接着した実用的なものであったり
漆で破損箇所を接着した器が見つかっているそうだ。
ある時代には
世界に漆=Japanと言わしめた芸術性はあったが
今では原材料のほとんどが海外。
世の流れとは
いつの間にか、あっという間に変わっていくものだ、と
改めて、思う。
*こちらは藍染工程。手間と時間を要するのだが、まだ下地。ここから漆塗りへ
姫路タンナー“坂本商店”
現在では3代目
一家相伝の漆の技術を先代より受け継ぎ、世界へ発信した御方。
誰もが知る某ブランドから
フランスの革で漆を〜などもバシッとNoと言ったそうで。
お話を伺っていると
ものづくりの楽しさ、ロマンを感じることができて
たびたび
サスティナブル(持続可能な)、エコなどのワードも出てきた。
姫路から世界へ
言葉では簡単に言えるが、簡単ではないことは自明の理。
常に「現代」での試行錯誤の創作を続けられている姿勢が素晴らしく
思います。
>>
ここ姫路市には、タンナーが集まっている一画、地区が存在する。
川沿いにあって
タイコといって革を回す木製の機械をよく見かける。
(稼働している、していないはおいといて)
昔ながらの革生産地として存在している。
だけれども
少々過去、のような
名残りに近いところもある。
あくまで個人的にそう思っただけですが。
いいものをつくる
それは当たり前で
単なる素材のハナシかもしれない。
手元にあるものが
何百年、何千年、何万年の歴史を感じられ
起源を識るような奥行きがある
それがまた、伝統を守ると言ってはおこがましい話なのですが
自国の伝統を受け継ぐ、ような感覚を持てるのは
大変にじわじわくる
素敵なことだと思います。
そんな坂本商店さんとの出会いから
カードケースのみ
先行リリース!
*先行販売分の価格のため、今後改定ございます
画像ではきっと伝わっていない表面の輝き。
不意に眺めるとキラキラしていて
『革の黒ダイヤ』って表現が凄くわかる気がする。
いつの時代でも
身分を問わず誰もが憧れ、つくる人みる人の美意識を駆り立て
世代を超えて使い込まれた漆。
革と漆、鞣しと漆。
ぜひご堪能ください。
坂本商店特注 補色ケアクリーム(各色)
所作黒桟革をお使いの上、お困りの際はご相談ください。
長年の使用にも安心ですね。
*実際に黒桟革が用いられた甲冑。随所に用いられているのがわかりますね
No,No,Yes!直営店舗にてご覧いただけます。
それでは、また。
nakabayashi
_______________________
No,No,Yes! Leather Tailor Tokyo
A : 渋谷区千駄ヶ谷3-2-8
T:03-3408-2706
M:tokyo@nonoyes.co.jp
営業時間15:15~19:19 定休日 : 月曜・火曜
No,No,Yes! Leather Tailor Osaka
A:大阪市北区曽根崎新地1-5-4 岩伸スプレッドビル1F-C
T:06-6342-0128
M:osaka@nonoyes.co.jp
営業時間15:15~21:21 定休日:月曜・火曜
No,No,Yes! Himeji Salon
A : 姫路市本町68-170 3F-5
T:079-240-5760
M: himeji@nonoyes.com
営業時間15:15~19:19 定休日 : 月曜・火曜
銀座ノ所作
A:東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ6F
T: 03-6263-8854
M:ginza@nonoyes.co.jp
営業時間:*11:00〜21:00
*3/3(水)~3/31(火) 東急プラザ銀座の時短営業により19時閉店
*3/28,29(土,日) 東急プラザ銀座休館のため臨時休業