ONLINE STORES
10年ほど前、
僕たちが最もアグレッシブだった頃
形にしてから染める
“製品染レザー”を得意としていた。
今でもベースとして使用しているレギュラーのソフトステア革(柔らかい成牛レザー)は
染色やウォッシュすると縮むことから、
その伸縮を各部位で計算し、ジャストフィットのサイジングからあらかじめ大きく型紙を作り、
そこから各パーツを縫い合わせて形にする。
そして、こちらは単なる製品染ではなく
縫い合わせた後で
柄行きをランダムに計算した位置で
つまんで紐で縛って染める
いわば『絞り染め』という手法のもの。
革の伸縮、絞り位置や素材と手法が
うまくマッチしなければ
形成はもとより型崩れの原因となってしまうため
技術的に難易度が高く
ハイリスクハイリターン。
アグレッシブでリスクテイカーだった10年前だからこそ
挑戦できた奇跡？偶然？
そんなリスクテイカーな頃から10年後
オーナーより持ち込みがあり、リフォームすることに。
着用スタイルや頻度、
好みの手入れの仕方、
着る人の個性により現れるレザーの経年変化。
何度も洗濯を繰り返し、
表地である革は縮み、
裏地キュプラはそのままに。
よって、ボディの裾、袖口から裏地がチラチラ見えるようになっている。
まずは
革に余分な負荷がかからないよう丁寧に
修繕するボディの裾、袖の裾を解いていく。
普段露出することのない
表地と裏地の間
この内側こそ
仕立てた人の考えや施した仕事がわかる重要なところ。
こうして、
10年後に自分の仕事と対峙する。
10年前この時
何を考えどう位置したのか
鮮明に思い出される記憶。
そしてまだまだ幼い自分の技術を目の当たりに…
10年の歳月を経て
溜まりに溜まったホコリを
洗浄により誇りにし、
形成リフォーム開始である。
修正箇所をほどき終えたら、
立体になるようにジャケットをボディー着せ、
引力に任せ、
着用した時の動作を計算し、
キュプラが落ちる位置の要所をマークする。
ポイントでマークした箇所を
構成上の不都合がないか確認しながら1本の線に繋ぎ
経年の差異を除去する。
裾以外にもチェスト周りのVゾーンの型くずれが気になるところ。
接着芯に元気を与え、
麻糸の星どめをシャキッとさせ
10歳のジャケットのポテンシャルを最大限に引き出す。
そしてまた
革とキュプラを縫い合わせていく。
革へ余分な不可がかからないように。
耐久性も最大限になるように。
想いを込めて。
長らくレギュラーで使用しているソフトステアは『お色直し』が可能。
薄い色から濃い色へ。
薄い色ベースからこのようなタイダイ絞り染めも。
積み重ねた色と、
ソフトステアの立体感が相まって
エイジングすることで愛着も増していくことでしょう。
着用することでオーナーの体になっていく。
まさに2nd Skin
こうしたアップデートは
”オーナー”と、作り手である”僕たち”
の関係を強めていく貴重な機会。
愛用価値を高め
”レザージャケット”も”僕たちの仕立て技術”も
アップデートできる。
何より本当にいいオーナーたちに恵まれ、
共に寄り添い、
良い仕事に向き合わせてくれていることに幸せを感じています。
それが真価であり、
進化であり、
気持ちが高まる”心火”であれば…
これ以上の喜びはない
そう現在に想ふ。
Tokyo lab.
———————————————–
『No,No,Yes! Leather Tailor Tokyo』
A : 渋谷区千駄ヶ谷3-2-8
T：03-3408-2706
M：tokyo@nonoyes.co.
営業時間15:15～19:19 定休日 : 月曜・火曜
『No,No,Yes! Leather Tailor Osaka』
A：大阪市北区曽根崎新地1-5-4 スプレッドビル1F-C
T：06-6342-0128
M：osaka@nonoyes.co.jp
営業時間15:15～21:21 定休日:月曜・火曜
『No,No,Yes! Himeji Salon』
A : 姫路市本町68-170 3F-5
T：079-240-5760
M: himeji@nonoyes.com
営業時間15:15～19:19 定休日 : 月曜・火曜
『銀座ノ所作』
A : 東京都中央区銀座5-2-1 東急プラザ銀座7F
T：03-3572-2320
営業時間11:00～21:00