滋賀県にある和紙加工工場にて
所作和紙シリーズの革が生まれています。
ブログ内容は、和紙を漉く植物の楮(こうぞ)からの工程ではなく
革に和紙を定着させる工程のご紹介です。
・革と和紙
・約1300年の歴史と日本人の美的感性
・紙に自国の名前が入る
たかが紙、されど紙。
所作を通じて、知らない世界を知ろう、きっとものの見方が変わる。
皆様の生活のお役立てとなりますように。
革の床面(裏側)に樹脂を塗る
このあと半日ほど乾かしますが、画像は乾かしたのちの2度目の塗り工程です。
枠組みを使って、全体に塗り、そして塗りをチェックしつつ、細部は満遍なく手で広げていきます。
※枠組みは樹脂がくっついてしまうために、すぐに洗い流す必要があります
冬場は樹脂が乾きにくく、乾燥に時間がかかり
夏場は、和紙が薄く軽いことから窓を閉め、扇風機を止めて乾燥させる必要があります。
真夏と真冬は想像するだけで、、、な現場です。
和紙は越前の手漉きのもの
太い繊維と細い繊維が入り混じり、均一ではない表情が特徴的です。
和紙の起源
古来より日本人の生活に密着してきたもので、約1300年の文化があります。
明治より西洋から洋紙が入ったため、それと区別するために、紙が『和紙』と呼ばれるようになったそうです。説ですが。
『紙』とは・・・何らかの植物の繊維を水の中で分散させて、それを漉いてシート状にし、乾燥させたものが紙の原料となります。
その国の植物の違いによって、当然ながら紙質が変わります。
・日本で発見された製法として
紙漉きの際に独自の『粘り成分』(トロロアオイという植物)を使っていること
・用途として
書道用紙のように『ものを書く』以上に
障子や提灯、衣服、団扇や傘など、暮らしの中でさまざまに和紙が使われていたこと
日本人の技術の高さと、美的感性により、『薄くて均一』に
そして
日本人の暮らしの中で、それが文化として根付いていったのです。
他の国では、紙は紙。
紙に自国の名前が入る、とても特別なことで誇らしいことですね。
話は戻り・・・
ご覧の通り4、5人がかりで和紙と革の間に空気が入らないように、丁寧に、徹底して接着します。
和紙と和紙のシートの継ぎ目をなくすように、細かいところは手で剥ぎます。
また、大きい革(約2m×1m)を並べると、数日間動かせないので場所をとります。
その分、他の作業スペースもなくなるのです。
今現在、和紙×革を扱っているのは
ほとんど弊社ノーノーイエスだけだそうです。なんというか、たいへんに恐縮でありがたい話です。
乾かした後に(天候や気温により1〜2日)薄めの濃度の樹脂を和紙の上から塗り重ねます。
さらに
水分を飛ばし、定着させるためにベイキングの機械(160度)に通す。
そうして
所作和紙シリーズの素材が出来上がるのです。
たかが紙、されど紙。
そんな紙と革の融合、と所作。
画像の白和紙コインケースは私物で(約半年使用でしょうか)
工場さんで、とても人気者になりました。
※彼らは実際に商品となったものに触れる訳でもなく、まして使用感など分からないのです
僕たちが制作の背景を知れる
と
彼らが使っているところを見れる
ぜんぜん違うことなんだけれど、たぶん同じくらいに貴重なことだと思う。
そして、
ブログを通じて
所作を通じて
日本の良さや日本らしさを感じていただければ、幸いです。
では、また。
nakabayashi
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和紙シリーズの「和紙貼り直し」ご相談承っております。
上記ページより経年変化例とメンテナンス後の画像も掲載しておりますので、詳しくはリンク先をご覧くださいませ。