個体差
言葉自体を読んでそのままに、一点一点異なる、ということ。
言葉では簡単に伝えられることなのだが
「伝わる」のはとても難しい。
伝える、伝わる
一文字違いだけれど、言葉だけならなおさらだ。
ご存知の通り
所作は、一枚革。
なので裏面やコバの表情を堂々と出せる革であること、
またカタチにする上で、折り畳める薄さなのに柔らかすぎない、コシの強さを持つ革であること。
シンプルだけに素材のごまかしがきかないのである。
さらに
極力手入れをせずにそのままの変化を楽しめること
そのために
もともとその動物が持っているシワや傷痕、血管が通っていた跡を自然の風合いとして、そのままにしている。
革の表情として
革なめし工程の中で、首の周りや手足の付け根、腹や背中の皮がたるんだ部分など
伸ばして平らにした時に模様のようになって残ることもあれば、染色後は色ムラになることもある。
一般的には、塗装や型押しなどの表面加工によって、そう言った個体差を消していることも多いのだが大きな変化を楽しむことはできない。
表情があることは、自然に近い状態の革であることと育つ革である証拠でもある。
ベーシックレッドの個体差
ボレロシリーズ(箔)に度々見られる個体差
ランダムに入る線は、箔を貼る際の熱加工・静電気による。
カラーによっては色ムラができる。
オイルヌバック
製品として見ると、ここまでとは感じられないが
大きな革で見ると一目瞭然である。
特殊なオイルワックスを手塗りすることによる個体差。
オーロラ箔の個体差。
姫路ブライドルキャメル
裏を見る限り、全く同じ染め方をしたと思われるのだが・・・
>>>
個体差と言えど、
お客様にとってはそれが一期一会。
一点一点では、中々気付くことができない個体差をご紹介させていただきました。
実際に手にとって、五感で選び、その時の思い出や思い入れをもって頂くのが理想ですが・・・
(オンラインでも、画像お送りするなどできる限りご対応させて頂いております)
ただ、どれも均一で同じモノっていうのよりは
なかなかに
ロマンがあって、いいんじゃないかなって僕は思います。
お手元に所作のある方は、
きっとそういう個体差を懐かしんだり
手に入れた頃の画像を探したり
またはエピソードを思い出したり
はたまた意外と
目立たなくなって、思い出せなかったり?
それはもう
個体差があるからこそ、ね。
では、また。
続く