なぜ、ビスポークを?
ビスポーク=オーダー
と、一言でまとめてもオーダーする理由やこだわりは人それぞれ。
“なぜビスポークを?” と題して
オーダーを決めた理由や仕様をはじめとしたこだわり、色々な想いをインタビュー形式に伺いご紹介。
少しでもビスポークをする時の参考になれば、と思います。
Case1, case2に続き
東京店スタッフの16 (イチロー)がなぜオーダーしたのか?を色々と聞いてみます。
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ロギー : 今回で第3回目。宜しくお願いします。
16 : はい、宜しくお願いします!
ロギー : 前回のネイキッドホースのマホガニーも好評で実際に見たい!というお客様も多数いらっしゃいました。ありがたいですね。
16 : カラーレザーは黒系と比べると経年変化のサンプルも少ないですからね。嬉しい限りです。
ロギー : ブルー系、レッド系のレザーと来て、今回はブラック。なぜブラックに?
16 : カラーレザーは昔からよく着ていたのですがそういえばブラックのレザーって持っていないな、ということでチョイスしました。
ロギー : 確かにあんまりブラック着てるイメージないですね。
ブラックのレザーは牛革・羊革・馬革と、ビスポークにラインナップされている全てに存在する色です。このジャケットの素材は?
16 : GUIDIカーフ です。
ロギー : 出ましたね、GUIDI。NNYのラインナップでもスペシャルな素材です。なぜGUIDIカーフをチョイスしたんですか?
16 : NNYのラインナップに登場した際、大阪店(現在閉店)にGUIDIカーフ1枚丸々飾っていまして、触った時に一目惚れ…
いや一触惚れと言ったらいいですかね(笑) とにかくこの革を使ったジャケットが欲しい!と思いました。
GUIDI素材は前々から知っていたんですが、革単体の丸々1枚には触れたことがなくて、触れた瞬間表面、裏面の質感に惚れました(笑)
ロギー : 一触惚れ。良いですね。確かに他の素材と比べるとどマットながらオイリーでもちもちっと独特の触り心地。一時期所作でも展開していましたが一触惚れでついつい選んでしまうお客様も多かったですね。
仕立て上がった時の雰囲気も素晴らしいですが、着用を重ねてどのような所が良かったですか?
16 : 厚みの割にとにかく柔らかいですね。僕のは通常展開していない1.2mm厚で、ややタウンユースのレザーとしたは肉感があるのですがそれを感じさせないくらい柔らかい。
もう、吸い付くような着用感です。触り心地も良いのでついつい腕の部分を撫で撫でしてしまいます(笑)
ロギー : 今の展開は0.8mmか1.0mmなので、16のジャケットは少し厚みがあるver.ですね。
確かに腕他の部分よりも光沢が出てる感じします(笑)オイリーな分ずっしり感がある気しますが着ていてどうですか?
16 : 柔らかさと厚みの割には少し重量感があります。ネイキッドホースと同じ厚みですが比べるとわかりやすいかもですね。
上/GUIDIカーフ 下/ネイキッドホース
ロギー : “着てる感“や”レザージャケットらしさ“を感じたい方は1.0mm厚。出来るだけ軽く…という方は0.8mm厚が良さそうですね。
16 : ですね。後は着込んで自分の体やクセに合わせて馴染ませる!と(笑) オーダー時に厚みについて色々とご説明出来るので相談してもらえたら…!
実際女性のお客様で“質感は気に入ったけど重さが気になる“ということで0.7mm厚程度まで革を薄くしてお仕立てさせて頂いたこともあります。
ロギー : かなり軽い仕上がりで尚且つ存在感は失わないカッコいいジャケットでしたね。
16 : 薄くできる旨はお伝えするのですが実際薄くする方はあまりいない印象です。このズッシリ感がたまらない!と言って頂けることが多いですね。
ロギー : 重厚感があるのも良いですよね。ディテール面の拘りは?
16 : 素材がとても良いのでとにかくシンプルに。を意識しましたね。フロントに物を入れて表に響かないよう、内側にiPhone専用ポケットをつけました。
ファスナーも黒、裏地も黒。ベルトもスナップもないタウンユース特化型ダブルライダースです。
ロギー : この仕様そのまんまオーダーで!というお客様も何人かいらっしゃいましたね。
16 : ダブルライダース着てみたいけどバイカーっぽい面構えは苦手。と言った方には刺さるんじゃないかな?と思っていたのですがズバリでした(笑)
ロギー : ライダースらしいゴリゴリなデザインよりもソリッドな見た目で好評ですね。ファスナーも黒との事ですが部分的に真鍮のような色味に見えはじめてますね。
16 : 使用してるのはYKKのエクセラジップのブラックなんですがブラックはコーティングなので経年で下地の色が出てきます。
ロギー : 本当だ。本体だけではなくパーツも経年変化する、ということですよね。あと、このジャケットにはちょっと秘密ありますよね?
16 : そうなんです(笑) 実は…襟裏と袖のマチ(袖ジップを開いた所)にスモールクロコを使ってます。
ロギー : おお、やっぱり良いですねー!本体と同系色なので主張しすぎず、隠れたエレガンスさが。
16 : クロコダイルはパンチがあるので出来る限り小面積でこっそりがいいかなと。
襟も立てないしファスナー開けても見えないのでほぼ自己満足の世界ですね。隠しクロコ(笑)
ロギー : こっそりと小さい浪漫ですね。特に男性はこういうの刺さるんじゃないですか? GUIDIカーフ+クロコかなりイケてる。
ちなみに、この様な部分使いはGUIDIカーフを選ばなくてもオプションで選択可能です。
16 : ダブルライダース着てみたいけどバイカーっぽい面構えは苦手。と言った方にはこのソリッドな仕様は好評いただいてます。
ロギー : 全体的な経年変化も見ていきましょう。革に厚みがある分シワの入り方が深いですね。艶もよく触れる部分は光沢が強くていい感じ。
あれ、この袖についてる白いのは…?
16 : これは白い壁に擦ってしまった時についた壁の塗料です(笑)やってしまった・・・と最初思いましたが今となってみればいい思い出ですね。
ロギー : 布素材のジャケットでは思い出とはならないのも、味になってしまうのが革素材の魅力ですよね。
16 : そうですね、革のいい部分だと思います。大事に大切に着るよりも、ガンガン味を出してなんぼと思ってます。
ロギー : クロコダイル部分の変化はどうですか?あまり触れるところでは無いのでそんなに劇的な変化は少なそうですが。
16 : ですね、あまり変化が無いんですが、やや艶が増してきてるかな…?といた印象です。
ロギー : このジャケットのスタイリングはどうしてますか?
16 : ライダースと言うと、ややファッショナブルの印象かもしれませんが所謂黒いアウターなのでなんでもありですね。デニムで良し、スウェットで良し、軍パンでもワイドパンツでも…
ただ中にシャツを着てスラックスにスニーカーが最近の気分ですかね。シャツとスラックスをピシッとし過ぎるとややストイックなので緩めの感じでラフに…。
ロギー : 仕込みが露骨ですが合わせてみましょう(笑)
16 : こんな感じです。
ロギー : ライダースの無骨さをシャツとスラックスで中和、シャツとスラックスはリラックス感があるフォルムでビジネス感を中和、と行った感じですね。
16 : もちろん、デニムにカットソーのTHE・シンプルなカジュアル一直線でも良い塩梅かと思います。
ロギー : 日頃のお手入れ、保管はどうしていますか?
16 : 非常にオイリーな革ですので乾いた布で乾拭き、馬毛のブラシでブラッシングだけです。湿気と直射日光での保管はNGなので日が当たらず風通しの良い場所で保管してます。
ロギー : 大事にケアして何年も何十年も相棒として着倒して欲しいですね。 未着用状態との比較をしてみましょうか。
〈着用 0日〉
〈着用 約2年〉
〈着用 0日〉
〈着用 約2年〉
16 : 相変わらずすごい(笑) 新品状態は平面的だったのに、立体的に変化して黒が更に深くなってますね…!!
ロギー : 袖にも注目してもらいたいんですが、新品状態は外にピンと張っているんですが、それが自然に降りて落ち着いてますね。これだけで革が柔らかくなったとわかります。
16 : そうですね。腕の曲げ伸ばしも凄いしやすくなってますし。この写真欲しいです(笑)
ロギー : もちろんどうぞ(笑) それでは最後に恒例の、このジャケットに名前を付けるとしたら?
16 : そうですね…普段ブラックをあまり選ばない僕でもこの革に触れた際の一触惚れで選んだので、黒の衝撃ジャケットで!
ロギー : それでいきましょう(笑)
16 : 実物東京本店でご覧いただけますので気になる方はお気軽にお問い合わせ頂ければと思います。
本当にとても良い素材なので黒いレザージャケットご希望の方は頭の片隅に入れておいていただいてほしいです。
ロギー : 今回はこの辺で。ありがとうございました。
16 : ありがとうございました。
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