No,No,Yes! TOKYO本店がリニューアルオープンしてから早1年。
リニューアルオープンのお知らせフライヤーに記載の”ON THE SUNNYSIDE OF THE STREET“を定期的にブログでご紹介致します。
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東京という街は不思議なもので春になると新社会人や進学などで人がドっと上京する。
しかし、それ以上に年間を通してパラパラ離れていく人達がいて帳尻が合うようにバランスが図られている。
たくさんの人と出会い、多くの別れもあった。
一歩一歩着実にモノゴトは進むことなく1日一歩、2日で三歩、三歩進んで五歩さがる?
結果後退も余儀なくされ、もがき苦しみ自暴自棄にヤケクソな自閉期もあった。
トライ&エラー、挑戦に次ぐ挑戦。
陽がささない窓の無い地下は昼なのか? 夜なのか? 分からないので集中すると徹夜が続き、黒歴史を重ねて行くことになる。
しかし、ひとり、またひとりと少しずつ少しずつだけどお客さんがこの地下空間に来てくれた。
卸売りしかしてない、知り合いでもない一個人の人が、決して安くはない額を個人オーダーしに来てくれた時はびっくり恐縮で、嬉しさのあまり泣きそうになった。
どこでどう知ったのか海外からもオーダーしに来てくれた。
憧れの有名人も、看板も無く営業時間も掲げてないのにも関わらず来てくれた。
出来上がった時に傑作だと確信したものが後にパリ装飾美術館に展示された。
取引先が突如倒産した。
ニューヨーク近代美術館や伊勢神宮にも商品が置かれた。
超有名海外ショップにも取引が始まったが噂以上に代金を支払ってくれない! ってこともあった。
そんな風に一喜一憂しつつ、首の皮スレスレ一枚で繋がっていた。
リーマンショックや大震災、長らく続く景気停滞、この街に東京オリンピックが決まり家賃高騰、、、そんな逆境もギリギリのところで周囲の人達に助けられ生き延びた。
地上で起こる出来事を種は知らずとも、地底に根をしっかり張り、土の養分を吸って少しづつ伸ばしていく。
そうした8年間の苦楽を、この窓もない地下室で過ごしたのだった。。。
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つづく