No,No,Yes! TOKYO本店がリニューアルオープンしてから早1年。
リニューアルオープンのお知らせフライヤーに記載の”ON THE SUNNYSIDE OF THE STREET“を定期的にブログでご紹介致します。
vol.1はコチラから
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革を切ったり縫ったりの技術やタンナーとの素材開発も自信がついてきたので、製品サンプルを造り始める。
徐々に形になってきたので展示会をしよう!と、そのタイミングで東京移転を決意。
自ら革を染めるので排水や匂い、カナヅチの騒音が許される物件を探す。
初めて訪れたJR千駄ヶ谷駅前。
東京体育館や国立競技場、後ろを振り向くと新宿御苑。
そんな開放的で公共空間が多いランドスケープを一目で気に入ってしまった。
土地勘の無いなか探して唯一あったのが千駄ヶ谷1丁目の「松村ビル」地下1階。
ここに越してきた時には空間に何も無く、、実績も無く、な~んにも無かった。
とりあえず新木場の木材加工場で木を沢山わけてもらい机や椅子や内装を自作。
ついでに東京に家も無かったので3ヶ月ばかしホームレスとしてここの地下に中古ソファを引っ張り込み寝泊まりもした。
まだ近所に銭湯もあったし東京体育館の大きな風呂も使えた。
東京の学校を出たわけでも会社に勤務してたこともないので知人も少なく、もちろん金もない。
あいかわらず「何も無いが有る」ただそれだけ。
しかし今思えば何故かチャリがあったので自転車操業であちこち行ってたっけ!?
この地下の空間は元印刷工場で大型ダクトがついていたので染色で立ち込める匂いも外に吐き出されるし、防音や汚水処理する機能もあった。
窓は無かったが以前のように野外では無かったので作業も集中できる。
直近に迫る初めてのバイヤー向けの展示会に向けて不眠不休で造り続けた。
ここでオーダーが入らないと即アウト! 家賃は払えない!! 誰に支持も指示もされずに自分のワガママではじめたこと。
今までの価値観、この人生全てを賭け、ありったけの自由と引き換えに一度きりの勝負と決めた。。。
最初にして最後になるかもしれない展示会。
結果は、気迫か熱量の塊か? いずれかの危機と鬼気迫るものがあってかビギナーズラックが炸裂した。
この地下室にはありったけの自由があった。
こうして以後、数十回と国内外で展示会に繋がるスタートがきれた。
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つづく