なぜ、ビスポークを?case.16

なぜ、ビスポークを?

ビスポーク=オーダー
と、一言でまとめてもオーダーする理由やこだわりは人それぞれ。

“なぜビスポークを?” と題して
オーダーを決めた理由や仕様をはじめとしたこだわり、色々な想いをインタビュー形式に伺いご紹介。
少しでもビスポークをする時の参考になれば、と思います。

今回はお客様のAさん。遠方にお住まいの為、今回は文章メインでご紹介。

(過去の なぜ、ビスポークを?はコチラ)

 

NNY:なぜレザーウエアをオーダーをしようと思ったのか

A:居並ぶブランドの中で気に入るレザージャケットがなかった、というのが理由です。私がレザーウエアの選択肢として一番重視するのは革の質感とデザインですが、既成のジャケットでは革の質感は良くてもデザインが気に入るものではなかったり、逆も然りでした。両方を叶えるにはオーダーしかないという想いから至りました。

NNY:今回の革にした理由はなんでしょうか?(Reversible Goat)

A:このジャケットはデザイン自体も私が考えたものなのですが、その過程で、ディテールには遊びを持たせつつ、全体は落ち着いた感じにしようと思いました。なので革はスエードで、ロング丈でも重くならないことを前提として、ラム革を想定しました。また、正面から見た時にフラットにならないよう、メリハリをつける狙いで左前身頃のみギン面(表面)にしようと思いました。スエードの起毛した表情とギン面の両方が使えて、ハリ感もありながらエレガントさのある革というリクエストの中で、ノーノーイエスさんからは通常のラインナップにはない3種の革・加工の提案をしていただきました。ギン面に加工を施す方法や、革の裏側を表面に利用する方法がありましたが、その中で加工の必要がなく、スエード面も綺麗に整えられる「リバーシブルゴート」を選択しました。

*こちらの革は現在ご用意ございません

NNY:オーダーの中で思い入れの強い部分や不安だった部分はいかがでしょうか?

A:革は見本(スワッチ)を見て選びましたが、限られた大きさの見本だけでは出来上がりの全体イメージは明確には捉えにくく、自分が描くロングジャケットのイメージに合うように仕上がるだろうかという点は不安でしたがヒアリングを重ねてもらい、革の質感についても希望をお伝えし、最終的にはコシを出すために芯を貼ってこだわりのパリっとした質感に仕上げられたところが思入れの強いポイントです。

NNY:遠方からのオーダーでしたがいかがでしたか

A:店頭に気軽に行ける距離ではありませんでしたので、メールでのやり取りがメインでした。仮縫いフィッティングの時には1度足を運ぶタイミングができましたが、メールの文章や電話での会話だけではイメージの共有が難しい部分もありますので、デザイン画を送ったり、革の選定、仮縫い、革のコシや厚みのチェックまで、制作の要所ごとで双方の考えの擦り合わせができているかを気をつけました。納得いくものを仕上げるには、これらのプロセスが欠かせません。

NNY:完成したジャケットを受け取った時の印象・着心地について

A:完成後は配送の納品だったので、発送連絡と共に出来栄えの連絡も受けていました。「ご要望の厚みや張り感がすごく仕立て映えしております」「全体スエードと左身頃のギン革とのコントラストも抜群でシックさとアヴァンギャルドのバランスも絶妙でめちゃめちゃ格好いいです」等。まさにその通りでしたが、私の印象では尖ったところはなく、むしろコンテンポラリーな雰囲気を醸し出していると感じました。完成は春先でしたが、中厚のコットンセーターを着てちょうど良い着心地でした。秋冬にミドルゲージのウールニットを着てるとさらにフィットすると思うと楽しみです。

 

NNY:お気に入りポイントは?

A:やはりテーラージャケットのフロントの左身頃をギン面に切り替えたところです。市販のブランドにはないところが気に入っています。また、私は車に乗ることがなく移動は徒歩か、地下鉄です。肌寒くなった秋口から着て、街中やホームを颯爽と闊歩できること。そして、左前身頃のポケットと背中左の裾のベント、そして袖先をジップ仕様にしたところです。

NNY:着用するシチュエーション、お気に入りスタイリングは?

A:暖冬が続いているので、コート感覚のアウターとして着用します。デザインの段階から落ち着いた感じを目指しましたから、クライアントの打ち合わせ、会議などの仕事時に着てもドレスコードに触れずに着用できるので、シチュエーションの幅は広く取れそうです。

インナーにはローゲージのコットンか、ミドルゲージのウールといったニット。冬になると、ボトムに千鳥格子のウールパンツを合わせようかと。細身に仕上げているので、ワイドパンツも似合うと思います

NNY : 有難うございました。

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