なぜ、ビスポークを?
ビスポーク=オーダー
と、一言でまとめてもオーダーする理由やこだわりは人それぞれ。
“なぜビスポークを?” と題して
オーダーを決めた理由や仕様をはじめとしたこだわり、色々な想いをインタビュー形式に伺いご紹介。
少しでもビスポークをする時の参考になれば、と思います。
今回は久しぶりにスタッフにインタビューを。
姫路店から東京店へやってきたハヤタに色々伺いたいと思います!
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ロギー:宜しくお願いします!! ハヤタ着用ジャケットはお客様からかなり好評頂いてる形ですね。
このオーダーはいつ頃しましたか?
ハヤタ:お願いします!改めてこういう風に聞かれるとなると緊張しますね(笑) これは2021年12月にオーダーしました。オプション素材の「ピットホース」が追加になったタイミングだったのでよく覚えてます。仕上がったのは夏頃でした。
ロギー:おそらくその素材を使ったオーダーは一番だったのでは?というスピードでしたね。
ハヤタ:そうですね(笑) 一目惚れならぬ、一触惚れという感じでした。
ロギー:結構な経年変化具合ですね。ピットホースの特徴と何処が良かったのかをざっくりでも教えてください。
*ピットホースはオプションでお選びいただける素材です。
ハヤタ:仕上がってからほとんど毎日着用してますのでかなり育ってます。
ピットホースの特徴は結構あるんですが3つに絞ると、軽さ、質感、経年変化の艶感です。
ある程度しっかりとした厚みがあるのですが、それを感じさせない吸い付く様な着心地のためとても軽く着用できます。また、半年着用で袖のシワ入りとツヤは他の革に比べて早く、着込むとシボ感が出てとてもワイルドな表情になります。
ロギー:軽量というと写真だけではなかなか伝わらないと思いますが、実は素材的にはかなり軽い分類になりますよね。袖のシワはかなり深く・しっかり刻まれるので経年変化好きな方にはたまらないと思います。
ハヤタ:そうですね。たまらないです!よく愛用ジャケットを眺めながらお酒が飲めるって方がいらっしゃるんですが、本当その通りで僕もその1人です(笑)
ロギー:そして部分的に使われているクロコダイルも特徴的ですね。クロコの箇所は袖マチ、ポケット比翼、ポケットフラップですかね?
ハヤタ:クロコをふんだんに使った贅沢な1着です。後は普段見えない襟裏とポケットの向こう布にもクロコを使用してます。こういった部分はチラッと見えた時に上品さを感じます。それが吊るし=レディメイドではない、明らかなオーダーメイド感が個人的に非常に好きです。
ロギー:これぞオーダーメイド、といった印象的な素材使いですよね。ピットホースと同じ黒色でもクロコダイル特有の鱗模様(符)とやや艶のおかげで引き締まるというか、格が上がるというか。
裏地も少し面白いのをチョイスしましたね?
ハヤタ:襟にはクロコのアタリがでてきていて、今後もっとアタリがくっきりでてくるのが楽しみですね。
ピットホースにクロコがワイルドな印象だったので裏地は真逆のイメージにしたく、身頃部分にはビンテージの”H”シルクスカーフを黒染めした物とビンテージの”D”生地を染めた裏地にしました。
ロギー:裏地はそのおかげでポップさが増してハンガー掛けした時や、ちらっと見えた時の印象が柔らかくなるのが良いですね。ファスナーとのバランスもイイ感じ。
ハヤタ:裏地のギャップがあって、とても気に入ってます!ファスナーはオプションでチョイス可能なEXCELLA、色はマットホワイトブロンズというカラーリングにしました。使用していくうちに研磨され艶がでてくるのが気に入り、一択でした! 通常はフロントファスナーは大きいサイズで袖先・ポケットは一回り小さいサイズを選ぶのが一般的ですが僕は全て大きいサイズにあえてして、ファスナーのインパクトを強めにしてます。
ロギー:確かに全て大きいサイズなのでディテールに目を引くライダースになってますね。
形はダブルライダースですが、通常の仕様から変更している箇所もありますね。仕様を変更した箇所と理由を教えてもらえますか?
ハヤタ:アメジャンの無骨な形が好きでそれを元に変更してます通常の仕様より大きく3箇所変更してます。
まずアメジャンの形には欠かせないウエストベルトをつけて、より存在感を出す為にバックルは8角バックルに。
2つ目は無骨な中に上品な雰囲気も足したかったのでコインポケットのフラップ部分にクロコを使用しています。
3つ目は背面の切り替えです。通常のアメジャンはボックスシルエットが多いんですが、綺麗なシルエットにしたかったので切り替えを入れより、体にフィットする様に変更しました。
ロギー:無骨さと上品のバランス感を大事にして拘ったんですね。確かに着用した時のシルエットもしっかり身体に沿っていてキレイです。(こういったバランスについての調整などもオーダー時にお気軽にご相談ください)
ロンジャンよりもアメジャン派というのは何か理由があるんですか?ついでにそれぞれの違いも教えてください。
ハヤタ:アメジャン派というよりオーダした時は丁度ヴィンテージハーレーに興味があり、乱暴者というアメリカの暴走族の映画を見て影響を受けてアメジャンの形にしました(笑)
アメジャンとロンジャンはバイク文化により形が違います。アメジャンの特徴では、バイクに乗る際邪魔にならない様に着丈は短く、裾にはベルト、コインポケットがあり、腕を大きく上げてバイクに乗る為アクションプリーツがついているのが多いです。ロンジャンの特徴は当時バイクのレースが流行り、カフェレーサーという仕様があり体を前傾姿勢になりバイクに乗る為、着丈は長めに設定してあり、タンクを傷つけない為にフロントベルトではなくサイドアジャスターがついており、風の抵抗を無くす為にタイトなシルエットになっています。
ロギーさんはアメジャンロンジャンどっち派などありますか?
ロギー:マーロン・ブランドの乱暴者、バイク好きな人は1度は観る映画ですね。実際「あの映画の主人公が着ていたジャケットに憧れていた」などをイメージにオーダーされる方も多いですよね。
一番影響受けた70年代のレザージャケット達はアメリカ製なのでアメジャン派という可能性もあるかも(笑)
個人的に気に入っているポイントや、拘りポイントがあれば教えてください。
ハヤタ:拘ったポイントは、ポケットの袋布にマイクロスエードを使用していて、冬はハンドウォーマー代わりになるとの触り心地が非常にいいのでよくポケットに手を入れてしまいます。
また、クロコを贅沢に使用しており1着で丸府もあれば尻尾付近の大きい竹府もあるので、唯一無二の1点物感があってとても気に入ってますね。
ロギー:そのポケット内側の素材を触って実際に選ぶ人も多いですよね。冷え性の方には是非取り入れてもらいたいですね(笑)
ちなみに、下記は着用0日と着用半年の比較です。
〈着用0日〉
〈着用半年〉
〈着用0日〉
〈着用半年〉
ハヤタ:おお〜、こうやって比較すると違いますね。袖のシワがすごいくっきり入って育ってますね。自画自賛ですが、格好いい…(笑)
ロギー:ブラックなので色の変化は無いですが、シボ・シワがはっきりくっきり。襟部分もクロコのアタリが薄っすらと出てきているのと、ベルトが若干ヤレてきてるのが良いね。
次にオーダーする形や素材など、イメージはあったりしますか?
ハヤタ:素材はGUIDIホースで1着作りたいと思っており、形は襟付きシングルライダースでシンプルなデザインで革の良さに全振りしたいです。
個人的にやっぱりシワが刻まれる革・経年変化が激しい革素材が好きというのがあるのと、別スタッフが着用しているGUIDIホースを見る度に良いなぁ…とヨダレ垂らしてしまってます(笑)
ロギー:やっぱり特別感感がありますよね。レディメイドの足袋シリーズでも使用していますが、非常にファンが多い印象ですよね。
ハヤタ:GUIDIホース、GUIDIカーフは独特な経年変化があり、足袋シリーズやビスポークでお客様の経年変化を見るのがとても好きです!
ロギー:実際に自分がオーダーする立場になってみてどうでしたか?
ハヤタ:僕は仮縫いありの「ロイヤルビスポーク」というメニューでオーダーをしたんですが、体型的な部分では採寸=数値だけでは分かりにくい骨の張りや、身体の癖によつ歪みが仮縫いのおかげで皺が改善出来ました。
デザイン的な部分ではオーダー時にある程度のイメージができていたんですが、「やっぱりこのデザインは無い方がいいかな」とか「ウエストをもう少し絞ってシェイプさせたい」など形になる事でイメージしやすく、別スタッフからもアドバイスがあり仕上がりは完璧のぺきでした。
ロギー:そうですね、一度仮縫いを挟むとイメージが形になってより分かりやすくなりますよね。
ディテールを大きく変えるなら尚更必要ですね。このライダースは普段どのようなスタイリングを?
ハヤタ:どうしても無骨なライダースなのでスタイリングで男臭ささを無くしたいので、パンツはテーパードやワイドパンツなどと合わせて、インナーはニットやTシャツと合わせる事が多いですね
あとは、ラフにフーディとスニーカーなどと合わせますね。
ロギー:バイクに乗るならガチガチでも良いけど、街着前提だったらやっぱり多少ラフになりますよね。
では、最後にこのジャケットに名前を付けるとしたら??
ハヤタ:乱暴物という映画に影響を受けてこの形にしたんですが、僕自身乱暴物でもないですし(笑)、艶のある真っ黒で経年変化も間違いない革、裏地とのギャップがあるので「漆黒の優等生」にしておきます(笑)
ロギー:漆黒の優等生(笑)
ハヤタ:漆黒の優等生(笑)
ロギー:もう覚えた(笑) 有難うございました!!!
ハヤタ:有難うございました!
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