度々・旅する足袋

指さえも
足指同士を開いてまっすぐ伸ばすことで「カカト→足指→ひざ→骨盤」の順で歪みがとれていき、まっすぐ矯正される。歩くときに足指が使えることで、ふくらはぎの筋肉が刺激されます。ふくらはぎのポンピング作用によっての血液やリンパ液を上へ上へと運ぶ原動力となり水分が排出されやすくなります…とのことで健康を気にするようになり5本指ソックスを履いて早5年くらい経つだろうか!?実感としては冬の手足の凍えるような冷え症がずいぶん軽減されてます。また出張先で歩き回ってホテルに戻りバタンキュ〜な時にシーツの上で感じる足のむくみもさほど気にならなくなりました。

旅する足袋
靴下でせっかく足指開いたのだから靴も指が開いた方がいいな〜なタイミングで海外の某ハイブランドMMが足袋ブーツをメンズで初リリースされました。早速履いてみたのだけど難点が…歩くたびにコハゼが取れてシャフト開口部パカパカする!ブーツ木型の親指と人差し指の間に切り込み入れた形状のままなので縫代が指にあたって痛い!そもそも木型があってない!など不具合連発したので…残念。負けじとシャフトを無くした短靴で出来ないものかと一昨年TOKYOサンダルにノーノーイエスが別注し足袋スリッポンをリリース。これはこれでストレス軽減したものの、ブーツメーカーがつくるサンダルのためソールの造りが頑強さが特徴。立体形成されて造りはめちゃめちゃ素晴らしく良いもののソール足裏の反りが硬く雪駄のような履き心地。。。mmm…もっともっとコンフォートな履き心地で出来ないものか…と早2年くらい経つだろうか!?そんな悶々と課題を抱え旅していた1年前に出会ったのが創立されて103年の地下足袋メーカー株式会社丸五さんでした。

伝統と革新の共存
丸五さんはホールガーメントという一体成形構造の編みマシンをいち早く導入してシームレス足袋をつくられており、日本人ではじめてオリンピックに出た金栗四三さんが当時マラソン出場で足袋を履いてた史実があるためNHK大河ドラマ「いだてん」主役の歌舞伎俳優・中村勘九郎さんが劇中やポスターのために履かれてる足袋もオーダーメイドで作成されたそうです。創立以来手掛けられてる地下足袋を軸とされ新しい技術や仕様の導入にも積極的でまさに「伝統と革新」足袋のスペシャリスト。100年の歴史の中でもレザー素材にトライされたのはここ数年。ここならば理想のレザー足袋がつくれるのではないか!?との思いで度々のレザー足袋を依頼することになりました。人は指が真っ直ぐではないから指股部分を過去膨大なデータによって計算して木型をつくられています。丸五さんの足袋縫製が他と大きく異なるのは足指間の股の造形。縫い目なく包まれるので足裏のグリップ力や足指の力が数ヶ月履いただけでパフォーマンスが変わってくるぐらい指股部分すごく計算に計算を重ねて造られています。

そうだ倉敷、行こう。
まずノーノーイエス特製のレザー素材が足袋の素材として適しているのか!?そんな実験からお取り組みが始まりました。この革は薄すぎる!柔らかすぎる!!硬すぎる!!!油分が多すぎる!!!!革素材の最適解の暗中模索。。。暗礁にのりあげるか!?と、なるほど東京⇄岡山倉敷間で何度もサンプル微調整のやりとりが繰り返されました。素材準備とともに「ここを3mm削って」「この接ぎ線を無くして履き心地はシームレスに近づけて包み込まれてるような」などなどシルエットや仕様についても同時並行で仮説と作成とモニター使用の検証を重ねる日々。丸五の担当者S本さんも根気強くノーノーイエスの我が儘??理想の姿になるべく導いてくださいました。
半年くらいのやりとりでようやく形が見えてきました。そろそろ倉敷行こう!実制作に携わる職人さんとお会いしてググッと詳細を詰めよう!!の段階になり丸五さんの本社と工場が併設された倉敷に行くことになりました。

度々の旅
東京から関西には年に数回出張予定があるので京阪神姫ツアーで姫路に行ったその足で倉敷へGo!(ちなみに姫路駅から岡山駅までは新幹線で20分、車で1時間の距離感です)岡山駅から瀬戸大橋線に乗り換え到着した茶屋町駅。そこからすぐにそびえ立つ「丸五」と描かれた煙突。そしてノコギリ屋根を目指し「ちむどんどん」胸の鼓動が高鳴り響き渡る駅前。

敷地入り口から足袋の足跡がペタペタッと連なり蔵をリノベーションしたショールームで笑談。丸五さんの歴史をお聞きして圧巻の技術が凝縮された過去サンプルを拝見。そして今進めているレザー足袋をもとに打ち合わをして、いざ縫製工房に移動します。ホームセンターなどワーカーへの地下足袋製造は中国にある自社工場でつくられてますが素材や技術的に難しい足袋は本社内にある工房でつくられています。

工程で分かれたライン製造(生地の延反機での用尺計算〜裁断〜芯地貼り〜部分縫い〜木型へのアッパー吊り込み〜ソール圧着〜乾燥後の仕上げ)簡単に言ってしまいましたが新規や異なる素材によって手間や工程が増えのでミシンや机の配置は工夫され複雑を余儀なくされます。異なる素材によるラインの配置換えもフレキシブルに対応されてます。

一般的なスニーカーなどゴムソールの張り替えは出来ませんが同じ工房内でソール圧着もされてるので今回のレザー足袋が経年でソール底が減ってきたりなどあれば張り替えもアフターケアで可能です(張り替えは別途料金かかります。状態にもよりますので都度現物をノーノーイエス店頭にお持ち込みでご相談ください)


工房にいる職人さんの足元は自分のサイズにあった木型を用いて普段使わないお気に入りのファブリックや新規モニター素材などでつくられたカスタマイズド足袋を履かれてます。イレギュラーな素材の足袋を体感することで不具合確認したり芯地で補強されたり身をもって研究開発されている仕事姿にすごく信頼と共感を覚えました。足袋木型や道具、作成する際お役立ちする器具など市販のものがないため工房内でDIYルームで自作されてます。僕らもミシンなど特殊レザーを縫う際はアタッチメントをカスタムしたり延反機を自作したり。あったらいいな〜でも売ってないものはよく自作するのでまたもやDIY精神に共鳴。

最終サンプルに修正要望を工房にて確認。100年の歴史で未だやったことがないノーノーイエスの馬革でつくることになりました。素材は黒色で2種、表面がクラッキング加工(ひび割れ)された馬革と丘染めでスムースなスベスベテクスチャーの馬革。半年以上毎日のようにモニター履きして細部を詰めてきましたがなんといっても秀逸なのがソールの柔らかさ。地下足袋の技術が注入されソール裏に動きやすい溝が施されることで足裏に吸い付くような履きご心地。もちろん軽い。片方ゴア(ゴム)により足首の動きもめちゃめちゃスムーズです。


度々・旅する足袋
大充実の見学打ち合わせを倉敷で終えて次の日休みだった僕らは足袋サンプルを引き続き履きながらお隣の広島・尾道に旅することにしました。宿泊閑散期でもあったので前から泊まりたかったホテルONOMICHI U2 即日ブッキングに成功。快適なサイクリングロードとして注目の「瀬戸内しまなみ海道」がある尾道の海側にあるこのホテルで自転車をリース。いざ、しまなみ海道へGo!向島〜因島自転車で颯爽と、、、イメージと異なり島内は小山な起伏があり緩急きいた坂道の連続。久しぶりに乗る自転車は膝と腿ガクガクしましたが足元のレザー足袋や足裏の疲れは少なくペダルへのグリップが非常に優れて疲れにくいことを実感できました。

丸五さんや尾道、児島のデニム、讃岐うどんの高松、土井縫工所の岡山シャツ工場。やっぱり瀬戸内海は気温も水も良質で良いモノヅクリや豊富な幸がある背景が整ってます。携わる方々も温厚な人柄で手間と時間をかけていることがしっかりとモノに宿っています。

約1年がかりでようやくリリースとなりましたノーノーイエス特注ホースレザー足袋。ノーノーイエス東京本店または姫路店にてお手にとって試着しにいらしてください。見た目のフォルム然り、履き心地然り。足指や足裏への負担軽減も体感していただけます。僕のような度々旅する方にもオススメです。先行リリースは短靴でカカトを踏んでスリッポンにも履けます。ご近所散歩のワンマイルシューズとしても◎遠出する時にはカカトを伸ばして普段履きにも◎大型連休〜初夏にかけてオススメの逸品です。



クラッキングホース

オンラインはコチラ↓↓
https://www.nonoyes.tokyo/items/61794978



スムースホース

オンラインはコチラ↓↓
https://www.nonoyes.tokyo/items/61794512


追記:丸五さんが白壁の蔵屋敷、なまこ壁、柳並木など、趣ある景観が楽しめる倉敷美観地区の<倉敷SOLA>内に<MARUGO KURASHIKI>2022年4月28日(木)10時グランドオープン!100年間培ってきた地下足袋製造の技術を生かして、現代人の足元から健康をサポートする足袋シューズを新しい履物のスタンダードとして倉敷から世界に発信していくコンセプトストアです。今夏に倉敷・美観地区に旅する予定の方は是非!

MARUGO KURASHIKI
住所:〒710-0046 岡山県倉敷市中央1丁目4-13
アクセス:JR倉敷駅から徒歩約15分
営業:10:00~18:00(火曜定休)
電話:086-489-6948

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そして、秋冬用に適した足袋も只今絶賛準備中
色や素材などご希望あれば店頭スタッフまでガンガン希望をぶつけてください!