折ること、折形 / 所作アトリエ Vol.3

折る

 

 

折り紙のように。

 

 

 

 

「折形」

折形とは六百年以上の歴史を持つ武家社会の礼法の一つ

和紙を使い進物を包んで手渡すやり方と、儀式に使う和紙の飾りを総称する呼称。

※「進物」は目上の人への贈り物、献上の品

上級武家のみが使用していた特別な和紙を目的別に使い分ける日本独自の文化。

武家、または天皇家における和紙文化とともにあった。

 

時代経て

江戸や大阪中心の商人文化が栄える時代

 

武家は仕事を失い、同時に門外不出であった折形礼法も寺子屋などで教えられて一般に普及していく。

さらに全国の農家が副業で和紙を漉くようになり、和紙も一般に普及。

 

特に折形の粉包みなどの造形のおもしろさから、単に形を折って楽しむ「遊戯折形=おりがみ遊び」が急速に普及することに。

物を包む礼法から形を作って楽しむ「工芸、遊び」として発展。

器用な日本人ならではの”折り紙”へと発展していくわけです。

 

明治以降は、義務教育で作法の一環として必ず折形を学ぶ

(一部では教科書に20~30種類の折形が必須項目だったそうです)

 

第二次世界大戦終了後には欧米文化の普及に伴って、学校教育から折形礼法は消失。

以降、百貨店が贈り物を包装し、熨斗紙を貼りつけ、相手先に送り届けてくれる代行サービス文化が

一気に広まり、同時に既成品の祝儀袋とよばれるお金を包む折形が販売されるように。

 

進物を贈ることを「贈進」と呼びますが

百貨店が考案し広めた「贈答」という言葉と、その行動は本来の礼法からは異なり

贈られたれ方にすぐに贈り返すことはしっぺ返しと捉えられ、義理や形式は礼の心ではないそうです。

 

 

贈る、気持ち。

 

折形、礼の心。

 

 

なので、

贈り物のお返しを返しそびれていた、もしくは催促された、気まずい等々

そんなことがあったら、

上記の流れをきちんと説明してあげましょう笑

 

 

なるほど

とはならないのが、難点ですね。