ノーノーイエスというブランドを始めたキッカケは?
デザイナーの橋本と河村は港町神戸にある高校の同級生で、その時から、音楽や映像や、アート作品などを一緒に作ったりして遊んでいました。学校を卒業して、それぞれの道を歩むことになり、橋本はファッションの、河村はグラフィック・デザインの仕事をすることになりました。そうしてお互いキャリアを積み、それぞれ独立しようとしたタイミングが重なり、「また学生時代のように面白いことをしよう」ってことでノーノーイエスというブランドが始まりました。
なぜレザーに特化した
ブランドになったの?
橋本がデザイナーとしてバイヤーとして、米国や欧州でのヴィンテージ・ウェアやミリタリーウェアを長年探求していく中で、何年も変わらない魅力とこれからの可能性がレザーウェアにあると感じたからです。人類初の服は狩猟した後のレザーで造った服だったとか、そんなロマンを感じられるのも魅力の一つです。
ブランドの中で
お互いの役割は?
橋本の強みはその長年培ってきた深いファッションの知識と経験です。逆に河村はファッションに関しても、レザーに関しても、ブランド創設当初はまったくの素人でした。しかし、だからこそ客観視した目線でファッションを見、既成概念に囚われない新しい発想ができます。深いファッションとレザーの知識と経験を持つ橋本と、外部の目で自由に発想する河村。その二人の融合がノーノーイエスの特徴です。
ノーノーイエスと言う名前の由来は?
由来は色々あります。一つ目は単純に「世界中の老若男女が知っている言葉」としての「YES」と「NO」を並べました。最初から世界展開を目指していたので、ブランド名は誰もが読め発音できる言葉にしたかったのです。2つ目は、日本の漫画「天才バカボン」の「反対の反対は賛成」という主人公のセリフ。3つ目は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコとの出会いの話から。「美術館の何もない部屋の中心に脚立と天井から虫眼鏡がぶら下がっている。
ジョンはその脚立を登り、虫眼鏡で天井に書いてある文字を見た。そこに書いてあった言葉が「YES」だった。その作品を作ったのがオノ・ヨーコで、もしそこに書いてあった言葉が「NO」ならジョンはすぐ帰り、二人は出会わなかった。」そういう話です。
それらはブランドの
コンセプトにもなっている?
そうですね。コンセプトに通じるもう一つ重要な言葉があります。日本の禅芸術を表す言葉で「否定をもって肯定する」。例えば、モノクロの墨絵の世界では、色を否定しながらも、色彩では表すことのできない「深い色」を表現しています。色が無いからこそ色彩豊かな世界が存在しているということなんです。中国の思想家「荘子」も同じような事をいっています。「無何有」という言葉で、「何もないからこそ、豊かな魅力がある」ということです。
そういうコンセプトと
レザーは繋がっている?
レザーは天然素材で、傷やアザなどの自然の風合いがある。そしてノーノーイエスはその風合いを極力活かすようにしている。レザーが持つその「人工的な作為が無い」という部分こそが、無限の魅力になっています。
Special Thanks : Kobe City